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会計マガジン

金融機関向けの決算報告③

今回も前回に引き続き、金融機関向け決算報告の際によく聞かれる質問についてご説明します。
第3回目は、販売費・一般管理費についてです。

【ポイント】
前期に比べて金額が増えている勘定科目を見て、その理由を聞かれます。
また、金額自体が多いと特に目につきやすいのは、人件費と役員報酬と交際費です。
決算が出たら前期と比較し、増えている勘定科目と金額を見て理由を把握します。
また、経費削減の余地があれば、具体的な対応策を考え、削減効果を概算で算出します。

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【実際にあった質問①】
「前期に比べ給与手当が上がっていますが、なぜですか?」

(OK回答例)
「前期は従業員が10人でしたが、営業を積極的に行っていこうと営業社員を3名採用したためです。ただ、まだ売上増加に結び付いていないのが現状です。引き続き営業力を強化して提案力を高めていき、取引先数を現状の●先から◆先に増やし、客単価を▲円から■円に上げていきます。」

(NG回答例)
「人が足りず新規採用したので上がりました。」
「忙しくて残業が増えたので上がりました。」
→人を採用したこと、残業が増加した理由とその効果が分かりません。この経営者は、人が足りなければただ増やせばよいとしか思っていないように見えます。実際に、金融機関からも質問が相次ぎ、応答に困られていました。

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【実際にあった質問②】
「当期は赤字になってしまいましたが、社長の役員報酬は年1,200万円でそのままですか?」

(OK回答例)
「社長として経営責任を感じています。これからの役員報酬は1/3減額して800万円、
月67万円にします。妻と子ども3人を含めた生活費と、
住宅ローンの月10万円の返済を考えると、手取り金額を考えるとここまでの削減が限界です。」

(NG回答例)
「生活費としてそれだけ必要です。」
→大きく利益が出ている会社であれば役員報酬は高くても問題視されにくいですが、
赤字の中で高額な役員報酬を減らさないのは、経営者の姿勢として金融機関から疑問視されます。
ご自身の身を切る姿勢をお示しすれば金融機関からも支持されやすいですし、
削減できないのであれば、客観的な理由をお示しすることが必要です。

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【実際にあった質問③】
「交際費が年間600万円と多くないですか?」

(OK回答例)
「確かに多いです。その多くは私(社長)が使ったのですが、
このうち半分は今後の営業獲得のために戦略的に使いました。
ただ、残りの半分は計画を立てずに使ってしまいました。
これではまずいと思い、これからは月10万円以内の交際費に抑えます。」

(NG回答例)
「前期より増えてるんですか?自分ではそんなに使っているとは思わないのですが…」
→自社の経費を把握できておらず、経営者としての管理に疑問を持たれます。
実際に、この答弁の後に金融機関から
「社長が毎月の交際費をチェックして金額を減らさない限り、今後は支援できません。」とはっきり言われたこともありました。

今回は以上です。
次回は、営業利益・営業外収益・経常利益についてご説明します。

支援部 田中徹志

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