Vol.7から経営計画の作成手順を説明しています。
① 経営理念作成→②vision作成→③内部分析→④外部分析→⑤課題の整理
→⑥中長期経営計画→⑦単年度計画→⑧指導設計→⑨推進支援→⑩モニタリング
前回は「②vision(ビジョン)作成」でした。今回は「③内部分析」です。
当社の内部分析は
①財務分析、②KPI分析、③経営機能分析の3本を柱としています。
① 財務分析
財務分析は財務諸表から会社を分析します。
財務分析の目的は、財務改善を改善するポイントを探すことです。
いつもお客様と財務諸表を作成している我々会計事務所の腕の見せ所です。
私たちは約500社の法人、約650名の個人事業主のお客様と契約しています。
財務諸表は医療でいえばレントゲンのようなものです。
重要な問題の所在、即ち、より詳細に分析すべき箇所を明らかにする役割を果たします。
② KPI分析
KPI(Key Performance Indicators):重要業績評価指標とは、
目標達成の度合いを測定する基準となる指標群のことです。
私たちはKPIを財務指標に影響を与える構成要素として利用しています。
例えば飲食店における売上高という財務指標に対して、客数や客単価といったKPIがあります。
例えば運送業における売上高(財務指標)には稼働車両台数・1車両売上(KPI)があります。
経営者が普段管理しているデータ、見たいデータを確認し、
財務分析で掴んだ大局観から、更に構成要素を因数分解していき、診断を続けます。
③ 経営機能分析
財務分析とKPI分析で定量的に考察をする一方で、
定性的な経営機能の分析も行います。
経営機能分析では経営管理論の観点で
下記6点の機能に関して分析を行います。
(機能商品開発機能/生産物流機能/営業・マーケティング機能/人事・組織機能/財務機能)
中小企業の多くはこれらの機能が組織化されておらず、
ほとんどの機能を経営者が担っています。
中小企業の場合、経営機能分析は社長分析であることも多いです。
強み・強みを活かした展開方法、弱み・弱み克服方法を経営者にヒアリングし分析を行います。
まずは、財務、KPI、経営機能それぞれを独立した状態で分析を行います。
その後は、財務分析とKPI分析による客観的なデータと、
経営者からのヒアリングによる定性的なテータを組み合わせ、
事実はどこにあるのか、経営者はどこが強いか、弱みがあるかを検討します。
これがもちろん答えとは限りません。
私たちは分析・診断をしているだけです。
答えは経営者の中にしかありません。
分析・診断した結果を経営者と共有し、経営者が納得する部分をさらに深く掘り下げていきます。